乳滴/2016年6月1日号
「農業版ルンバ」の可能性
家庭用のロボット掃除機「ルンバ」のように、農地の除草を自動で行う「農業版ルンバ」は実現可能だろうか。農水省が農業現場に導入可能な価格での開発を目指している。中山間地域での急傾斜法面の草刈りを省力・軽労化、滑落・転倒等の農作業事故も防止するねらいだ。5月11日の自民党農林水産業骨太方針策定PTで4人の専門家を招き農業イノベーション(人工知能の活用)についてヒアリングが行われた。
人工知能といわれても分かりにくいが、今年の3月にグーグルの人工知能囲碁ソフトが世界トップ級の韓国棋士を破ったことが話題になった。人間が負けるのは囲碁の世界では、まだ当分先と予想されていただけに、進歩には驚くばかりだ。
前述のPTでは、有識者から一階であるIT技術等のデジタル革命による「情報技術」「データ化」の無限の可能性に加えて、2階として①認識ができる②繰り返しにより学習ができる③言葉の意味が分かるようになる――の「ディープラーニング革命」が12年頃から急速に技術革新が進んでいると報告された。
実は学習効果が一番高いのは人間である。例えば草がどこにあるか、草と作物の認識、果樹では摘果と収量・品質の関係等どこまで人間に迫ることができるか興味深々だ。