乳滴/2016年月8日1号
予算の〝真水〟獲得を
参院選の圧勝を受けて安倍政権は近く大型の経済対策を取りまとめる。選挙期間中は、3年間のアベノミクス経済対策により失業率や株価の改善、円高是正などの成果を訴えた。しかし、デフレから脱却し2%のインフレ目標を目指すとした目論見は依然、達成されていない。デフレから完全脱却、未来への投資の加速が目的だという。
事業規模は当初10兆円との報道があったものが、最近では28兆円を超える規模に上積みなどの威勢の良い数字が飛び交っている。消費税の延期により財務省の財布のヒモは非常に堅いと言われていたのに、どうしたものか。その訳は、いわゆる政府が新たに予算を組む、いわゆる「真水」と呼ばれる部分に財政投融資等の融資枠などを上乗せするために膨らむもので純粋な国(あるいは地方の財政支出の支出を加算)とは違う事業規模だからだ。
農林関係では昨年度の補正予算(真水)は総額4008億円(TPP関連3122億円)。この額が一つの目安になるが現時点ではこの水準もかなり厳しいとされる。財務省は簡単には手の内を明かさない。選挙後の自民党農林関係の合同会合では、党や政府に対して何としても選挙での厳しい声を訴えて農林予算を獲得しようと幹部から激が飛ばされた。