乳滴/2017年6月10日号
猛暑予想と生乳不足
今年の夏も猛暑が予想されており、夏休み明けの最需要期に万一、牛乳まで不足したら大変だと心配されている。飲用消費を最優先に、不足する乳製品は輸入で対応というのが近年は続いている。
Jミルクの5月25日の今年度の需給見通しでは、全国の生乳生産量は1月時点よりさらに約3万㌧減少すると予測。北海道は、ほぼ前年度並みだが、都府県の生産は0.1ポイントさらに落ち込み2.9%減の見通しだ。都府県の生産減少が需給ひっ迫を招き、北海道からの生乳移出の拡大に頼らざるを得ないが、注文に応じ切れるか、物流や台風等の予期せぬ対応も必要になってくる。
牛乳が足りないとなると販売側に特売の自粛等の対応をお願いせざるを得なくなるが、苦労するのは量販店等のバイヤーを相手にする乳業の担当者だ。力関係の強弱がはっきり出てくる。
バターの次は脱脂粉乳がひっ迫しそうだと農水省は5月25日に脱脂粉乳の輸入枠を2万1千㌧拡大することを発表した(既報)。不足に対する安心感を持たせた形だ。今年度はすでに生乳換算でバター、脱脂粉乳合わせて約24万5千㌧弱とCA対応(国際約束数量は生乳換算で年間13万7千㌧)を大きく上回っているが、さらに今回約24万1千㌧もの輸入枠が設定された。