乳滴/2020年8月10日号
例年より難しい夏需給
7月豪雨からの復旧もままならない中、猛暑がやってきた。今年は新型コロナの影響で、多くの小中学校が夏休みを短縮。例年に比べ学校給食用牛乳が増え、迫る最需要期の需給ひっ迫に拍車がかかる。
関係者は事前に協議。学乳供給を最優先にしつつ、北海道からの6万㌧を超す最大量の生乳移出と道内産牛乳の増加が頼みの綱だ。取引先に対しては、特売の自粛、加工乳等の代替品等の供給などの協力を呼び掛け、牛乳の品薄を混乱なく何とか乗り切ろうとしている。
暑さに弱い乳牛は夏場に生産量が減る。消費は逆に暑くなると増える。
需給調整の悩みだが、今年は特に深刻だ。
農水省の牛乳乳製品統計によると、19年度の生乳生産量は736万㌧。北海道が約56%の409万㌧、都府県が44%の327万㌧。月平均では、全国61万㌧、うち都府県27万㌧となる。
月別で生産量が最も多い月は3月(全国65万㌧、都府県29・6万㌧)。最も少ない月の9月(同58・4万㌧、同25・2万㌧)との差は、6・6万㌧(都府県4・4万㌧)。消費では、例えば牛乳等向け処理量(月平均33万㌧)では、最も多い10月(35万6千㌧)と最も少ない3月(31万㌧)との差は4万6千㌧にのぼる。北海道からの移出頼みも限界に近づいている。