乳滴/2020年11月1日号
台風、上陸なしも
昨年の大型台風による酪農乳業界への甚大な被害は忘れられない。今年はどうなるかと台風動向を注視してきた。近年、海面水温が高くなり、日本近海に接近してから勢力を増す傾向にある。特に特別警報級に発達した9月の台風10号では、肝を冷やした。事前の防災準備や進路などが幸いし、九州等で牛舎等の被害など出たが、想定よりは下回った。
今年は、7月の九州豪雨で球磨川が氾濫し多くの被災者が出た。台風の数は現在、20号が発生したが、沖縄へ影響の可能性がある。
気象庁(統計)によると、過去30年間の台風発生の平均値は約26個、上陸は2.7個。今年の台風上陸数は予想に反し現在までゼロ。上陸なしとなれば12年ぶりだ。平年並みならば、10月以降の台風上陸数は0.2個。今年は何とか大きな台風被害は免れそうに思える。
昨年を振り返ると、台風15号(9月9日)、19号(10月12~13日)の上陸、その後、21号が接近。記録的な暴風と豪雨により千葉県など東日本では、酪農乳業界は長期の停電による生乳廃棄、水害による牛舎・乳牛被害など大変な思いをした。
台風をはじめ近年の気象災害の多発をみると、毎年その年の気候が平穏でありますように、という昔から変わらぬ思いに至ってしまう。