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このロシアの民話、ロシアといってもウクライナ地方の民話ですが、めす牛から生まれた王子が、同時にその国のお妃から生まれた王子と、侍女から生まれた王子と3人が驚異的成長のあと、冒険の旅に出るというお話しになっています。冒険の中味は特にめずらしいものではありませんが、3人の中でめす牛から生まれた王子が、他の2人の王子よりも、行動力や、すぐれた知力と体力をもっている、という設定です。多分、人間の牛との歴史の長さ、それに人間の牛に対する愛情があってこそ、語りつがれた民話だと思います。その牛から生まれた王子は名前も〝荒武者イワン・牛っ子〟と名付けられています。

荒武者イワン・牛っ子 世界民話集より(ロシア)


牛っ子は強いぞ 嫁とリ作戦成功

1987-07-01

ウクライナ地方のある国のお妃様には子供ができない。王様も悩みまして、なんとかお妃に子が生まれないものか、そのグッドアイディアを一般から公募するわけです。


ある青年が、老婆から助言をうけます「城の池の"大かます〟をつかまえて、お妃に食べさせればすぐ妊娠するヨ」と。青年は王様に進言し、王はこれをすぐ試みます。後継者不在に苦しむ王様の気持ち、よくわかります。これが、かますでなく金魚でも、料理してお妃に食べさせたでしょう。


『料理番が魚をつくり、よく洗い、その洗った水を窓から流した。1頭の雌牛が通りかかって、それをなめた。大かますが焼き上がると、黒髪侍女がとんできて、皿に載せてお妃のところに運んだ。ただそのまえに、途中でちょっとひとつまみごちそうになった。こうして、1頭と2人、雌牛と侍女とお妃が、同じ日の同じ時間に、赤ちゃんを産むことになった』そして、次のようにも書かれています。


『何か月かたって、家畜係りの女が家畜小屋から駆けつけて、雌牛が人間の子を産んだ、と王さまに申し上げた、王さまが不思議に思っていると、まだその話が終らないうちに、今度は黒髪侍女が男の子を生んだ、という知らせがまいこんだ。しかも、その子が雌牛のぼうやにそっくりだという。そこへまた、お妃にも王子さまが生まれたと報告があった。王子さまも、雌牛の赤ちゃんと髪1本まで同じである。』


めす牛から生まれた人間の子、お城で働いている侍女から生まれた子、そしてお妃から生まれた子、3人同時出生の子らは普通の人間の1年分の成長を1時間で育っていったので何時間かで青年になってしまった。


そんな具合ですから、3人とも不思議な力を秘めていたわけです。要するにスーパーマンというわけです。中でも牛から生まれた子は、他の2人よりも思考力や行動力、勇気が優れていたわけです。


父親は王様なのだが、当然うしから生まれ〝荒武者イワン・牛っ子〟と名付けられた子と、侍女から生まれた〝侍女っ子〟は王様と性的な関係があって生まれた子ではない。しいて父親はだれかといえば城の池に住む「大かます」ということになるのでしょうか。


北欧の神話を読みましてもめす牛が塩岩をなめると、巨人が誕生してくる、といったことが書かれていますが、父親が誰かなどと問うよりもいかに、牛と人間が何千、何万年も前から深いつながりがあるかということでしょう。ですから、神話や民話の中にこのような形で牛が現れるのだと思います。


この後、3人の王子?は父である王のゆるしを得て旅に出て、さまざまな冒険をかさねます。


3つ児の3人の青年が旅をすれば、必然的に誰が指導者(リーダーとか大将)かを決めても不思議はありませんが、最初は空に向かって小さなガラス玉を高く投げ上げる競争をし、そして、大将をきめようとする。


侍女っ子が50メートル、イワン王子が100メートル、さて、荒武者イワン・牛っ子が天に向かってガラス玉を投げると、玉がみえないほど、天空に投げてみせる。当然1番は牛っ子、そこで「大将は俺だ」となるわけですが、イワン王子(お妃から生まれた子)はおもしろくない。


今度は黒海で大蛇退治でいま1度、リーダー選びの大蛇退治ゲームが繰りひろげられるが、ここでも牛っ子が大蛇を海底深く追い込んでしまう。


「俺がやはり大将だ」と、しかしイワン王子は「お前の家来なんかになりたくない」ここでもケンカ別れとなり牛っ子はそれならと城に帰ってしまう。王様は怒って塔に牛っ子を閉じこめる。


牛っ子はいろいろと王様を説得、再び2人を追って冒険の旅に出るわけですが、3人が重ねる冒険(内容は紙数の関係ではぶきますが、12も頭がある竜がでてきたり他国の軍隊と戦ったりで、どちらかというと魔法的で怪奇に満ちています)の中で、牛っ子は、すばやい判断力や、並はずれた勇気や知恵を発揮して2人を救っていきます。


3人の王子の中では、全てに牛から生まれたこの「荒武者イワン・牛っ子」が頭角を現していますが、この民話の結末は、ある国の王女をお妃にしようとるすイワン王子を助けて見事、イワン王子の嫁を獲得するところで終っていますが、嫁とリ作戦、ここでも牛っ子王子が活躍します。


それは、ある国のお姫様はなんとしてもイワン王子との結婚を拒み軍隊まで出動させて、そのじゃじゃ馬ぶりを発揮し、手におえないのですが、牛っ子王子は新婚の床でイワン王子と入れかわり、このお姫様(イワン王子を寝室で殺そうと思っていた)を徹底的にむち(鉄と銅と錫のむち)で手なづけて、イワン王子にバトンタッチするわけです。翌朝、牛っ子王子はイワン王子に「幸せになれよ、そして俺のことは忘れないでよ!」といって別れを告げる。 民話は兄弟愛を暗示して終っていますが、この牛っ子王子、自力ですばらしい嫁さんを見つけ出すことでしょう。

本連載は1983年9月1日~1988年5月1日までに終了したものを平出君雄氏(故人)の家族の許可を得て掲載しております。

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