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乳房炎は古くて新しい病気 潜在性乳房炎に要注意 外見からは分からない 臨床型乳房炎の原因に

2004-08-01

乳房炎とは


乳房炎という言葉には、ギリシャ語で乳腺を意味する「マスタイセス」が用いられ、ラテン系のママが造語される以前の古代オリンピック時代から存在していたようだ。


家畜共済には多発する「特種病傷」への「診療指針」が発刊され、初刊の1962年以来、03年の最新改正刊までの40年間に6回改正されている。


また、診療指針は乳房炎をトップとする多発疾病の発生状況の中で、生産獣医療技術の進展に対応せしめる疾病の診断・治療など新しい知見を常に加え、学理的にも臨床現場で効果が認められる適正な診療へと逐次改正し、筆者もその作業に参加したことがある。


この診療指針が広く普及することで畜産業の発展、すなわち飼養形態の変遷から畜産物の生産性向上とともに「食の安全」を踏まえ、さらに畜産農家への経済的貢献へも寄与するようにマニュアル化されている。


この診療指針最新刊を中心に、ギリシャ時代から悩まされ続けているまさに「古くて新しい病気」である乳房炎の病理を新たに認識する。これを共有して動的疾病である乳房炎の動きを逐次把握して適切な抑制策を実践し、乳房炎コントロールによる体細胞数の減少を実現したい。


乳房炎の病理


乳房炎は乳腺の炎症と定義されている。乳腺の炎症は酪農業で最も経済的損失が大きいにもかかわらず、「鳥インフルエンザ」のような大きなパニック状態は見られず、広範に伝播している。


また、乳腺への微生物の感染から定着へ、さらに増殖を伴って産生される毒素(トキシン)の刺激による炎症疾患である。感染は炎症の程度によって臨床型と潜在性に大別され、臨床型は甚急性・急性・慢性の3つに分類される。


乳房炎による経済的損失は甚大であるが、その損失の2割は臨床型乳房炎による治療・廃棄乳・淘汰によるものであり、さらに慢性化して主要な乳房炎の感染源となる。


残りの8割は潜在性乳房炎であり、外部知見として唯一泌乳減が見られる(泌乳量の急減ではなく漸減であって、健康時の乳量からの減乳)。この減乳による損失が8割を占める。


乳腺の炎症は、乳汁の合成機能が阻害され、乳汁を分泌する上皮細胞膜の透過性が亢進して異常乳を分泌し、さらに体細胞数が増加する。臨床型乳房炎は乳房の炎症を特徴づけて、罹患分房の発赤、腫脹、疼痛、硬結を呈し泌乳量の急減・停止が見られる。


また、全身症状として熱発、食欲不振、下痢、脱水、心拍数増加、時には、低体温及び起立不能を示し「乳熱」と誤診され、カルシウム剤を静脈注射することによって斃死を早める事もある。このように乳房炎は、複雑多岐な症状を呈することを誰もが体験し、失敗を繰り返してきた。


この失敗の理由は4つある。まず一つ目は、乳房炎の直接の原因は微生物であるということ。これはメジャー(一次)菌とマイナー(二次)菌と称されるもので、2つに大別される。前者は伝染性病原菌であり、後者はオガクズなどの敷料、ふん尿、土壌、牛体、水などに常在する環境性原因菌であり、いずれも乳頭口から侵入している。これは牛体内の病巣などから血行を経て乳腺に感染すると考えると、全分房が平等に罹患するわけだが、実際はほとんどが独立した1分房の感染が多いことからも乳頭口感染が主体だと納得できるし、これを防御するディッピングは有意義と認められる。


2つ目は症状が明らかな臨床型乳房炎牛の他に、外見からは発見しにくい保菌牛である潜在性乳房炎牛が多数いるということ。


これは①肉眼では乳房炎とは分からない②長期間継続する③体細胞が増加し、減乳とともにペナルティが課され、損失が大となる④臨床型乳房炎の原因となる―と言った性質がある。


潜在性乳房炎牛の乳汁は正常に見えるが、細菌培養により原因菌が検出され、電気伝導度計やPLテスターなどの理化学的検査によって体細胞数の増加や、乳汁成分の異常が認められる。


一般的には罹患率が過半数に達するなどにより抗生物質で治療したいが、生乳は出荷停止となることから損失は増大。よって、搾乳管理や環境衛生の改善などで自然治癒を期待する。


しかし、細菌検査の結果、比較的高い治癒率が得られる病原菌の場合、過去の感染歴がなく、薬物への感受性検査に合格したら治療することを推奨するが、伝染性が強いから一斉に有効剤を使用することが望まれる。


3つ目は乳房炎は症状が安定していることが少なく、臨床症状や乳房炎診断に用いる乳汁の諸症状が刻々と変化するなど、乳房炎は極めて動的な疾病であるということ。


乳汁中細菌検査では、細菌が常時検出されるわけではなく、数回採乳して培養してようやく病原菌が検出される。雪印の食中毒の原因菌である黄体ブドウ球菌は乳房炎問題牛群の8割に存在し伝染性乳房炎病原菌の代表である。


特にこの菌は慢性的に移行するとともに、乳頭の傷、搾乳者の手などに潜伏する。それが乳腺深部に侵入して微小化膿巣を形成。間欠的に排菌するために感染が掴みにくい特徴があり、ほとんどが潜在性で存在する。


体細胞も急増したり急減したりして、乳房炎症状が強いほど増減の変動差が甚だしい。菌種によって体細胞が増加しなかったり、過搾などの無菌時の高体細胞もある。


乳汁が酸性となり、PLテスターの色調が変化しない乳房炎も存在する。


4つ目は薬剤耐性菌が増加すること。乳房炎の正体は掴みがたいものだ。

本連載は2003年5月1日~2010年4月1日までに終了したものを著者・中野光志氏(元鯉淵学園教授)の許可を得て掲載するものです。

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