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正しい初回哺乳法 近年の適切な抗体移行法 強制的に多めの初乳与える

2009-04-01

子牛の下痢や肺炎を防ぐ初乳中の免疫グロブリンIgGを把握しよう


初乳への考え方は曖昧である。新生子牛の体重が30㌔台から50㌔台へと大差があっても、哺乳量が一律ボトル1本から哺乳開始時間も出産してから、ボトルを探し出し洗浄、凍結保存初乳を解凍したりで、子牛の口に入るまでに時間が懸り過ぎ、元気な子牛は歩き始めて周辺を舐め回す事態に至る。


初乳そのものも初産牛か経産牛か、搾乳量はボトル1本分だけ搾るか、初回から完全に搾り切る。初乳は別搾りするから、古びたライナーでバケットも水洗いだけで気にしない。まさにケース・バイ・ケースで深く考えていない。


哺乳のタイミングと羊水


新生子牛がIgGを効率的に移行吸収するには、子牛側の体力的条件で異なる。難産で羊水を飲んでいるなど気苦労も多い。IgGが吸収される腸管より手前の第4胃内での「初乳のカード・凝固形成」が重要であると岩手大学は研究の結果を示した。


初乳給与前の第4胃の状態および給与後のカード形成を超音波画像診断装置で観察、出生直後の第4胃には体重の2・5~5・0%の羊水が貯留するが、初乳給与後2時間に第4胃内でカード形成が確認された群ではIgGの吸収が良好であった。


また、初乳を哺乳するタイミングは子牛の哺乳欲が発現してからの方が効果的としている。初乳給与前の腹部エコー像の違いが、24時間後の血中IgG濃度には差がないことから、初乳給与時の第4胃の羊水の有無はIgGの吸収に影響を与えないという。カテーテルで強制哺乳派も多量の初乳で羊水を胃内から腸へ移送するので羊水は問題ないとしている。


初乳、新生子、母牛IgG


初乳中の免疫グロブリンIgG濃度を私の前任地の鯉渕学園(成牛60頭規模)と外国の実測値を参考にまとめてみる。


初搾り、初回哺乳用初乳は最大値83㍉㌘、最小値36㍉㌘で、1㍉㍑当たり平均値57±13㍉㌘(1㍉㍑当たり70~44㍉㌘の範囲に測定牛群の7割が占める)だった。


1㍉㍑当たり57㍉㌘とは1㍑中に57㌘のIgGが含有されているのだが、1㍑で最大83㌘、最小36㌘と倍以上の差があり、ボトル1本2㍑を哺乳するとIgGは166㌘から72㌘と大差が生じる。


さらに、各研究報告は初回初乳哺乳時にIgGは最低100㌘(150㌘とも)必要としている。


つまり、IgG50㍉㌘の初乳を2~3㍑必要となるが、鯉渕学園の牛群では4割強が100㌘に達せず、最低値36㍉㌘の初乳の存在を考慮すると、初回哺乳量は3㍑以上をこぼさず正確に飲ませないと免疫力不足の弱体子牛の誕生となる。


アメリカの919頭のデーターでは、初乳1㍑のIgG鯉渕学園の最低値36㌘にも達しない頭数が29%あり、さらに25㌘以下が14%。逆に85㌘以上は5%あるが平均値は46㌘と鯉渕学園の2割以下と低い。


そこで初回初乳哺乳量を1ガロン=約3.8㍑を胃カテーテルで強制投与を行っている。


時間制限20分以内初回哺乳


初回哺乳量にIgG100㌘を必要とする根拠を鯉渕学園の実測値から検証すると量と質に時間制限も必須であった。


測定値は表記したので要旨は、搾乳中の成牛の場合、IgGは血清1㍑中に平均20㌘存在し、疾病を克服し泌乳している。


しかし、初産は9.8㌘、2産17.8㌘、3産19.3㌘、4産以上20.6㌘と3産以上は初産の2倍を超え、初乳IgGも産次数に相関が高い。


血清IgGが1㍑当たり10㌘以下は免疫力が低いとされ初産は心配だ。今回は幸い初乳そのものが50㌘以上を確保し、正確に分娩後20分、さらに3~5時間後の定時搾乳時に2㍑、計4㍑を5時間以内に哺乳完了させた。


その結果、新生子は哺乳前の血清IgGは皆無で、疾病には全く無防備であり、歩き回って哺乳が面倒になる前に丁寧に手指を使って吸飲または少量ずつ哺乳瓶から給与すれば、羊水を飲んでいてもIgGの移行には問題がないので、20分以内のスタートが肝心だから、テキパキと進行させた。初回哺乳だけで成牛のレベルに、3回哺乳でそれを超える上昇を示し血清IgGの最小値10㌘も全頭が超えていた。


初乳中のIgGが血清ともども産次数に相関して高かったので、3産以上の健康な初乳を凍結や発酵初乳で初産出産子牛用に備蓄することと、5時間以内に4㍑の哺乳を完了することが重要。


IgGの測定は蛋白計、比重計、糖度計などで推定できるが、手元の「牛群健康台帳」で、その貴重なデーターから把握できる。


初乳IgGの体内移行効率


新生子の血清の中に腸管から初乳IgGが移行する効率、吸収率を推定してみる。


まず血液量は体重の13分の1(7.7%)、血液から血球固形物を遠心分離で沈殿させた100分比・ヘマトクリット値(Ht値)を求めた残部の上澄みが血清である。


Ht値は新生子が42%成牛35%で子牛の方が血球は多い。逆に血清は子牛58%、成牛65%だ。体重が35㌔㌘~50㌔㌘だから、血清量は1.6~2.3㍑となる(体重35㌔×血液量7.7%×血清量58%=1.6㍑、同様に、体重50㌔=2.3㍑)。


出生時子牛の血清IgGは皆無状態であったが、初回哺乳時に初乳の平均1㍉㍑当たりIgG57㍉㌘を2㍑=IgG総量114㌘を哺乳させ、半日経過で子血清IgGが1㍉㍑当たり14㍉㌘へと上昇移行した。


114㌘哺乳し、子牛血清内へ22~32㌘(血清IgG14㌘×1.6~2.3)を移行させた。この移行、吸収効率は19~28%(22~32÷114%)でガソリンエンジンや牛乳生産効率と近似していて自然の摂理は奥深い。


24時間経過した哺乳後の移行抗体IgGの吸収効率は5%にまで低下し、さらに子牛自身の血清IgGが生後24時間以降は心持ち減少し始め、生後1カ月頃に最低となっていて、移行によらぬ自己免疫獲得への転換期を迎え、管理面からの予防対策を待っている。

本連載は2003年5月1日~2010年4月1日までに終了したものを著者・中野光志氏(元鯉淵学園教授)の許可を得て掲載するものです。

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