牛飼い哲学と
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エネルギーから見た畜産物 最も低燃費誇る牛乳生産 人間と競合しない乳牛食糧生産面でも貢献度大

2007-01-01

新年明けまして、おめでとう。今年こそは、明るい酪農界であって欲しいものです。


心も改まった所で、何故酪農を続けていくべきなのか?特に親がやっていたから雰囲気で飛び込んだ多くの後継者諸君に、気分良く酪農のうまみや存在意義を感じ取ってもらいたい。


また、地球環境からも酪農の存在価値を認識し、持続的に循環させる楽しみを、まさに文字通りの「楽農=酪農」を継続できるよう、新年への第一歩を踏み出す門出の話題の1つを提供しよう。


人が生きていくためには経済的な裏付けがなければならないだろうが、そもそも金銭感覚としての市場競争原理は、高利貸しが登場するベニスの商人やイスラム社会の金利への罪悪感、また、「宵越しの金は持たぬ」という古きよき時代の日本社会にはなじまない存在だ。


本来、市場競争原理は、人類の歴史からはほんの近年始まった現象であり、社会のひずみから生じたものにすぎない。


人の生き様は、農耕社会が登場して発展するに連れ、人智のひずみから「富の片寄り」「富の収奪」へと捩じれ込んだ。そして、植民地的支配から醜い戦争にまで発展させてきた。


民族人類学者の研究によると、現在でも採集・狩猟的生活を続ける部族民の世界は、男性が身を粉にして働かないため、身の回りの自然物の採集生活に適している女性を中心としていると報告されている。あまり獲物にありつけず、成果が上がらない狩猟専門の男性は女性のヒモのような存在で、必要以上の収奪的採集=富の蓄積を先送りする。


そして、1日分の限定採集を数時間で切り上げて自然再生を図り、残りの時間は茶の間のテレビでお馴染みの原住民の踊りといったレジャーに明け暮れているらしい。


現実に戻って我々の酪農界を省みると、今でもあくせくせずに、1日1回搾乳を信念で貫いている人がいるかと思えば、アメリカ的工業経営で牛も人も無機的・機械的思想で、まさに洗練されたIT万能の合理化社会へと驀進する傾向がある。


人も牛も命ある有機的な生物としての遊び心を有する動物である。しかし、そのことを無視した経営が持てはやされる傾向が高まり、スイッチON/OFFの酪農にあこがれる後継者もいる。


私が熟年(?)を過ぎ若さがなくなったうえに、インドネシアでの水牛社会に飛び込んだ。いくら忙しくても1日に5回も沐浴と口を磨いての敬虔な「お祈り」を続けるイスラム人を相手に4年が過ぎた。そこで、せわしげな日本酪農を藪にらみで眺めるようになった。


また、アメリカから送られてきた最新版の酪農雑誌の表紙を見ると、いかにもアメリカらしいミルキングパーラーに迷彩色の戦闘服の兵士が登場。イラクの復員兵が搾乳場に戻ってきたと思いきや、表紙に配置された兵士の迷彩服が私の目には生々しく異様に映った。それがイラク国内の近代的酪農場風景であったことにショックを受けたことも影響している。


さて、本論に戻ろう。酪農は「楽をする農で、楽は罪悪ではなく、ゆとりある自然にやさしい循環型農業」である。国民の食糧を持続的に供給し、自動車産業も我々が縁の下から支えているから繁栄している。我々は貴重な存在であり誇れることだ。動物的・本能的であっても生命誕生でまず口にする「乳」を生産し、乳の歴史は古代からの理論的蓄積をもって酪農は持続されているのだ。その中で、話題性に富んでいる「エネルギーの生産効率」から酪農を眺めてみよう。


家畜に給与した餌(車で言えばガソリン)が果たしてどの程度、最終目的の畜産物を効率良く生産しているか。自動車のエンジン(ガソリン1㍑あたりの走行効率)と酪農・畜産物を比較して、その存在価値に自信をつけよう。


まず、エネルギーといえばダイエットがらみでカロリーが頭に浮かぶだろう。このカロリーが仇となって美女達が「牛乳は栄養が多いからカロリーも高い」という。だから、牛乳を敬遠しカロリーゼロの「水物」に踊らされている。


また、省エネ時代は仕事量や電力量など「馬力」「㌔㍗/h」などと「単位」が入り混じって、相互関係を比較するのが容易ではない。


カロリーは物理的メートル法に準じて「J=ジュール」に統一されているが、なじめず現在も例外的に栄養関係ではカロリー表示が許されている。


とはいえ人のダイエットからはカロリーより物理的仕事量を表す「J=ジュール」に切り替えた方が牛乳消費拡大に貢献できるかとも思われる。


豚や鶏は配合飼料何㌔で肉や卵が何㌔生産されるのか(飼料効率)。逆に畜産物1㌔生産に要求される飼料の量を「飼料要求率」(飼料摂取量/増体重=飼料効率の逆数)として示し「飼料効率」から経済効率=収益「もうけ」が判断される。


では、乳牛についてはどうであろうか?酪農には金銭上の飼料代金/乳代金=乳飼比があるが肉牛にはなじまない。


我が国の酪農が普及し始めたころは酪農先進国・スカンジナビア諸国で普及していた「大麦」を単位とした飼料単位でスタートしたが、給与飼料が複雑化して飼料それぞれの栄養価を示すTDN=可消化養分総量が登場した。


しかし、最近は可消化なる言葉をも懐かしむ世代が少数派になっている。スカンジナビアで「大麦」の単位に至った1910年頃からさらに100年遡る1800年代初頭には主幹飼料であった乾草を単位とする「乾草価」を用いていた。飼料そのものは別の機会で述べる。


下に示したように、小柄の鶏は人や牛に比べて体重1㌔当りの生体の維持エネルギーは3.7倍(110㌔㌍対30㌔㌍)に達し逆に大柄の牛が人と同じレベルであることに注目したい。


成人の生体を維持するための1日分のカロリーは1800㌔㌍。単位をメガ(百万)に置き換えると、1.8メガ㌍(=180万㌍)になる。


それに対し、成牛は約18.0メガ㌍。ちょうど10人分だが体重も10人分だから同じレベルだ。


成豚は8.8メガ㌍、5人分だ。体重は1.7人分、差し引き3人分だけ無駄な消耗がある。


鶏は体重2㌔にすぎないが、0.2メガ㌍。0.12人分で体重も30分の1で差し引き3.6人分のエネルギーロスがある。


人と牛は生命維持の概念から見ると全く同じレベルで、鶏は歩行より空を飛ぶ習性から生体維持エネルギーの消耗は人の3.6人分と厳しい。さらに、飛ぶために腸内の内容物を減らして軽量化する。そのため、消化吸収の途中で、消化管内に滞留させる時間を短くしてその分だけ糞尿内に多くの栄養分=エネルギーが残された未吸収のままで排泄される。


このことは、イスラエルなどで乳牛の飼料に鶏糞を混合発酵させてリサイクルし、また貴重な肥料としても利用されている理由となっている。


家畜の最終目的である畜産物の生産効率を比較すると、生命維持の効率が悪かった鶏が産卵効率では、牛乳生産効率並の好成績であること。これが日本やイスラエルのように狭い国土で畜産物を国内自給するには牛乳か卵を選択するべき根拠となっている。生産効率が30%を確保できている。


内訳は、牛乳生産では体重600㌔、搾乳量25㌔の場合、給与すべきTDNは12㌔、53メガ㌍から生産される牛乳25㌔カロリーは16.3㌔メガ㌍で生産効率は31%。卵生産は給与カロリーが377㌔㌍で卵1個(60㌘)を産む。その㌍は97㌔㌍で生産効率は26%とガソリンエンジン以上だ。


なお、生命維持に必須である蛋白質の生産効率も配慮すべきだが、これもエネルギーと同じ傾向である。


効率追求のみならず牛や鶏の命を奪うことなく循環型生産であることも重要である。


肉生産は効率がよい豚でも13%、ブロイラーで7%、牛肉6%と生乳生産効率には到底及ばない。


一方、卵は人と競合する穀類を主とするが、牛乳は給与する飼料が人と競合しないルーメン工場を体内で稼動させ、人類への食糧生産効率面からも最大限貢献している。


《備考》


酪農も栄養食品生産だから、馴染み深いカロリー単位で統一して考えると判り易い。


餌の大麦は㌔あたり3400㌔㌍、牛乳は㌔あたり650㌔㌍だ。生産効率から大麦1㌔から牛乳1.6㌔生産される。


また、TDN(可消化養分総量)1㌔=4410㌔㌍=4.41メガ㌍である。ちなみに大麦のTDNは77%。そこで大麦1㌔のTDNは0.77㌔=3400㌔㌍、牛乳は㌔当り650㌔㌍から、牛乳1㌔のTDN=650㌔㌍÷4.41メガ㌍=0.15㌔、TDN15%。

本連載は2003年5月1日~2010年4月1日までに終了したものを著者・中野光志氏(元鯉淵学園教授)の許可を得て掲載するものです。

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