牛飼い哲学と
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哺乳期の注意点 乾草は胃腸内に停滞 濃厚なスターターを

2005-11-01

ここ4~5年間につぎつぎとアメリカからやってきた酪農管理栄養学者が、わが国にもたらした哺乳子牛の栄養関係の考え方と技術が大きく進展した。今までの「草食動物」だから良質な乾草給与を重点化するということから急転換して、乾草不要が強調されるようになってきた。


また、1日1回だけの哺乳という省力管理が勧められていたにもかかわらず、豚などと同様に、哺乳動物の子供は好きな時に好きなだけ乳が飲めるのに、乳牛の子供は朝晩2回の制限哺乳では成牛になって生涯生産乳量に悪影響がおよぶという。


集団哺乳場は哺乳ロボットを導入して群飼いを学習させ、対人ストレスの減少もとりあげている。寒冷時は3週令以下では寒冷感作で今までの量ではミルク不足になるが、まだ本格的にはスターター(人工乳)をルーメンが消化できないから代用乳を8㍑へ増量する。


この8㍑哺乳が1日2回分与でもボトルでは収容できないので、希釈倍率を半分に濃くして哺乳するなど哺乳現場では、色々な技術を巧みに導入している。


哺乳期の子牛は胃袋がひとつの人間や豚と同様、真の胃袋(消化腺あり)すなわち第四胃が1番発達していて、反芻胃は全く未熟である。自然界ではこの時点の子牛は自然哺乳で好きなときに好きなだけ乳を飲んで乾草など口にしない。


一方、家畜である子牛は母牛の乳房は知らぬまま人の指で哺乳本能を刺激され乳首を捜すこともなく疑似乳頭をくわえさせられる。早くもルーメンを発達させるためにと乾草もくわえさせられたものだ。


1カ月未満の子牛への乾草給与は、ルーメンの筋肉を発達させるが、消化・吸収を担当するルーメン内壁の絨毛は未発達ばかりか乾草が詰まって重たい大きな袋だけになってしまい、外観と見かけの体重は大きくなる。この状態ではスターターの摂取量は制限され、真の体重増加は望めない。


スターターは子牛の発育とルーメン壁の絨毛の発達を促進する。ルーメン内微生物によってスターターが発酵して産生された低級脂肪酸(VFA)のうち、特に炭水化物=糖質から生成されたプロピオン酸と酪酸がルーメン壁の絨毛を促成発達させる。


一般的には、哺乳子牛の成育ぶりを表現するのにDG(ディリー・ゲイン=1日当りの体重増加量)を物差しにしているが、増えた体重の中身に筋肉がついたのか、それとも脂肪が蓄積したのか、特に将来の泌乳量に影響する乳腺組織への脂肪沈着が少なく、乳腺実質・乳腺細胞が充実発達している乳房に成長させなければならない。


そこでアメリカの報告を要約すると、哺乳期間・離乳前後の栄養状況は如何にあるべきかが研究されている。その結果は2カ月齢までは高蛋白(CP28%、ここまで高い代用乳給与が可能になった)、2カ月齢以後100日齢までは低蛋白(低くてもCP20~18%だ)でエネルギーレベルは蛋白質とともに免疫細胞の増殖と免疫機能に影響することから不足しないように給与し、子牛の移動や寒冷時ストレス対策として2割増しで給与して体重増加を維持させている。


標的臓器である乳腺の発達は、旧来のように無理してまで乾草を口にくわえさせることなくスターター(中には全乳)をたっぷり給与する。約50日間の哺乳期にルーメン壁の絨毛が十分発達し、ルーメン発酵が順調に行える時期に離乳して、いよいよ乾草給与を開始する。離乳後は哺乳期よりは低蛋白飼料で乳腺への脂肪沈着を予防する。


その結果、離乳後も高蛋白給与組は、乳房重量が脂肪沈着で最も大きかった。


一方、離乳後は哺乳期に比較して低蛋白(CP20~18%)で抑制管理した組(良質乾草・ビート=溶解性繊維・糖が多いバランス飼料給与)は生後80日齢ごろから粗飼料主体に切り替えたが、乳腺実質は3割増しで充実していた。


なお、乳腺細胞量を測定する指標としてDNA鑑定を応用している。このDNA鑑定は、ごく身近な乳房炎診断用のPLテスターが体細胞のDNAを測定して凝集度で判定している。


このようにPLテスターは時代の最先端に位置付けられる優れものであり、有効に利用したい。


ちなみに、哺乳期も離乳後も低蛋白飼料で飼育した組は、やはり乳腺細胞が半減していて、この乳房では分娩後の泌乳量に期待が持てなかった。


哺乳期の乾草給与は、乾草が子牛の胃腸内で消化される速度が遅く、消化管内に停留するために増体重を測定するときに胃腸内容物も同時に「見かけの体重」として表示されるため「真の体重」ではない。


哺乳期にスターターを節約して乾草をた多給するとますますスターターが摂取できなくなる。すると乾草が詰まって大腹となり、実増体重は少ない実態があった。


報告によると、乾草6割・穀類4割では消化管内容物が14㌔を占め、見かけのDG(1日当り増体重)320㌘に対して、真のDGは140㌘と4割強程度である。


さらに、乾草15%・穀類85%給与では消化管内容物は11㌔で見かけのDGは600㌘で、真のDGは430㌘と7割強。乾草多給と比べると見かけDGが2倍、真のDGが3倍と大差がついた。


哺乳期で大差がつき、さらに乳腺細胞が活性化し充実する。育成期を良質の自家産乾草を給与して初産分娩月齢を23カ月へ短縮する。


最新の哺乳技術と育成技術、さらに長命連産技術を確立すれば、更新用育成頭数節減など各種収益が加算される。

本連載は2003年5月1日~2010年4月1日までに終了したものを著者・中野光志氏(元鯉淵学園教授)の許可を得て掲載するものです。

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