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乳酸菌と発酵のしくみ 自家産乳でヨーグルト レンジで簡単殺菌 我が家の味を楽しむ

2003-08-01

搾乳したばかりの生乳中の大腸菌培養から生産現場の改善指導に伴った人間関係の難しさも習得するなかで学生の興味が有用細菌へと展開し、ヨーグルト乳酸菌(ケフィア・ブルガリア・カスピ海・初乳ヨーグルトなど)を手がけるようになった。


乳酸菌の歴史


一万年前の人類は遊牧民が羊・山羊の乳を、牛乳は8千年前にトルコ(アナトリア半島)のアナトリア高原牛の家畜化から、自然の恵みとして自然発酵のヨーグルトが発祥してきたという。


そもそも搾った乳はストレートに全部飲めるものではない。ガラス・ポリ製容器や、もちろんふ卵器もない時代、素焼きの壺か皮袋に乳を貯えて羊達と移動している間に、自然にヨーグルトができたわけだ。


1907年ロシアのメチニコフが炭疽菌などを発見したパスツール研究所(パリ)に留学中に、コーカサス山脈の人達が長寿なのはヨーグルトを常食しているからと、不老長寿の因を乳酸菌の効能であると発表、翌年ノーベル生理医学賞を受賞したことは有名だ。


一方、なじみ深いブルガリア菌は1905年ブルガリア(黒海を挟んだ西岸・東欧側から東方カスピ海に至るコーカサス地方)のグリゴロフがジュネーブに留学中に発見した乳酸菌に祖国名をつけたもの。現在ブルガリカム社から毎月1㌘中250億個在中の種菌が日本に空輸されている。


1930年代の日本は乳酸菌の培養法を模索していたが、菌は球菌・桿菌と多種多様で、生育条件や乳酸生成も糖を100%または50%分解して乳酸を生成し、残り半分はアルコールと炭酸ガスを生成する(アルコール1%前後の乳酒がヨーグルトとともに楽しめる)。さらに嫌気性、通性嫌気性など細菌学的に広汎すぎる相手である。敗戦後、食糧科学が活発となり、1970年に東京農大が「乳酸菌の分離培養マニュアル」を出版、乳酸菌研究のバイブルになっている。このように、乳酸菌の研究は緒についたところである。


乳酸と酪酸


乳酸菌は発酵によって糖から乳酸を生成する。乳酸は無色透明無臭で、発酵の進行とともに酸味を増す。phが4(強酸)以下になると乳清分離が始まるから冷蔵庫に保存するのがよい。


酪農家はサイレージ臭を乳酸と誤解している人が多い。サイロ詰めで泥を混入させると、土壌菌である酪酸菌が混入し、いつまでも衣服にしみ込む悪臭の酪酸が生成される。この酪酸は微量でも強悪臭で、食品の腐敗臭として乳酸と比較させ食中毒予防に役立てている。


乳酸発酵物には乳酸菌とともに酵母(ケフィア・キノコヨーグルト)・カビ・好気性細菌が旺盛に共生繁殖している。発酵温度によって乳酸菌の生育が遅く他の菌等が先行発育すると、乳酸菌が検出不能な得体知れずの物になる。逆にそれぞれの乳酸菌の至適温度で発酵させると、生成される乳酸の酸(ph)と温度によって雑菌の生育を抑制することができる。乳酸菌を多量に加え20度位でヨーグルトづくりをすると、至適温度37度位の雑菌・大腸菌を少量ならば死滅させられる。


酪農家向けの自家製ヨーグルト


市販のヨーグルト菌はふ卵器を必要とするものが多いが、ケフィアやカスピ海ヨーグルトは20度前後が至適温度だが、冬でも室温で発酵できる。むしろ夏は温度を下げる工夫が必要だ。水につけるか、素焼きの壺(ワインクーラーなど)を利用する。ワインクーラーはそのまま牛乳を注いで、蓋はラップを破れぬよう重ねて輪ゴムで閉める。


バルク乳の細菌数が数千・大腸菌「0」の酪農家は搾りたてのバルク乳をそのまま、前回つくって残しておいた種ヨーグルト(スターター)を乳の10分の1~5分の1と混合して室内に静置しておく。夏は8時間でできあがるから、5時間位発酵させたら冷蔵庫でゆっくり発酵させる方が味がよい。


都会の人は器具の消毒法は?びんの口に黒カビ赤カビが生えたと、健康雑誌はヨーグルト特集を出して騒々しい。酪農家は朝夕必ず搾乳器具を消毒し、手袋装着など衛生管理はプロであるから、ヨーグルトづくりの広口びん・さじにも100~200ppmの次亜塩素酸殺菌液をスプレーされたい。消毒アルコールより使いなれていて便利だ。


生乳の殺菌は電子レンジに限る


残念ながら過半数の人がバルク乳をストレートに利用できかねるだろう。なぜならば自家産牛乳を4割しか飲まず残念だが乳質に自信がないから。また牛乳の殺菌のために直火で鍋をかけ沸騰させ、あふれ出た牛乳がベトベトでコンロに焦げつき、後始末に苦労して二度と牛乳を扱う気分になれない人も多い。


現在は安価で正確なタイマー付きの電子レンジが普及している。この電子レンジを利用して「秒単位」でバルク乳を殺菌すると、安心してヨーグルトがつくれる。家庭用電子レンジの庫内に入る1.5㍑位のガラスジャーを朝夕2回利用すればよい。長寿村のコーカサス人の半量位はヨーグルトを飲み食いできるから、病気知らずの健康家族になるはずだ。


電子レンジは恐ろしい放射線殺菌とは異なり昔ながらの加熱殺菌で、電子が水の分子同士を摩擦して発熱させる。細菌の体内の水分も加熱されるので、乳温が低温殺菌(パスツール法)温度63度時間30分に達しなくとも殺菌できる。表のように秒単位で殺菌されているが、1.5㍑のバルク乳は10分くらいで50度に達するのでそのまま庫内に置いておき、種ヨーグルトの準備や容器の消毒をする。乳温が人肌以下になったら種と乳を混合して広口びん・コーヒー空びんに小分けし室内に安置し半日~1日経ると出来上りだ。


ときどき加熱殺菌乳の表面に膜(ラムスデン現象)が出来て捨てる人がいる。この膜は、乳温が高まり表面が蒸発して濃縮されて出来るタンパク質と脂肪の栄養膜であるので、混ぜるか「ゆば」のようにすくって食べると珍味である。膜が出来るほど時間をかける必要はないので、科学的に温度計で実測したい。なお、直火で煮沸する燃費に比べて、レンジは電気代とふきこぼれがなくて時間が節約されるので酪農家には向いている。


種ヨーグルト(スターター)の保管法


毎日ヨーグルトをつくるのも負担になるので、小瓶に小分けして出来上がったヨーグルトは冷蔵保存で1週間、さらに粉ミルクか砂糖を添加(5~10%)しておけば1ヶ月位保存できる。牛乳を電子レンジで念のため再度殺菌し、冷凍精液の要領で粉ミルクを添加して増菌して氷結晶障害を防止するフリーザー凍結保存も有効で、市販品の5年保存でも復活できた。


まとめ…ph試験紙(1回分10銭)でph、温度計で温度など、科学的管理で雑菌汚染を防ぎ、何代まで継承できるか挑戦してみよう。

本連載は2003年5月1日~2010年4月1日までに終了したものを著者・中野光志氏(元鯉淵学園教授)の許可を得て掲載するものです。

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