牛飼い哲学と
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搾乳は乳房炎防止の原点 マンネリ化しがちな搾乳 搾乳しながら細かく観察 昔ながらの味見も

2004-09-01

☆乳汁感染と乳房感染


乳房炎は乳腺の炎症による疾病であり、その炎症は主として細菌がもたらした感染症状である。


この感染症の成立条件として、まず牛(生体)は本来健康そのものだが、大量の乳を産出して生理的に免疫力などがくるいがちである。


この牛の周辺に常在菌として大腸菌や黄色ブドウ球菌などの細菌群の存在。この細菌は精子のような移動運動力に欠けるが、体表や環境に住みついて普段は実害もなく、中には皮膚を保護する有益菌もある。


しかし、抗生物質療法が長引くと、乳頭内外の細菌群のバランスがくずれ、有益菌が悪玉となって日和見感染をひき起こす「菌交代」現象が生じる。


さらに、牛と細菌が揃っても乳頭穴を通過する運動力がない細菌を奥深い乳腺まで侵入伝播させる経路がなければ感染は成立しない。


このように牛・細菌・伝播経路の三大要因が感染成立に必須となる。牛がいなければ牛乳房炎は存在しないし、細菌も同様であるが、両者は自然界では主役であるわけで、残る伝播経路を十分把握し、これを遮断できれば感染を未然に防止できる。


細菌は乳頭穴から侵入し、乳槽乳汁内を移動して乳腺に到達。乳腺を細菌自体か、または細菌が分泌した毒素で攻撃する。


乳腺は自らを守る「生体防御反応」として炎症が発現する。この乳腺への細菌伝播は、子宮が強い力で精子を輸卵管まで吸引するほど明白にされているわけではないが、乳槽内の300ml前後の乳汁が牛体の動きとともに撹拌され、細菌がこの流れに乗って乳腺へ運ばれる。


ましてや、ミルカー離脱時や過搾時の陰圧の逆噴射(ドロップレッツ)では多数の細菌が乳頭穴を突破し、乳槽内へ勢いづいて搬送される。


乳頭穴から乳腺に至る細菌感染伝播経路から次の6つに区分して乳房炎防除の一助としている。それらを説明すると、


①正常乳汁健康そのもので細菌細胞は検出されない。


②乳汁感染乳頭穴から侵入した細菌が乳汁1mlあたり250個以上に達したもの。だが、細胞の増加や乳質(PH)の変化はない。


③乳房感染細菌が多量または増菌して乳腺を侵害するに至り、細菌を食菌するため血中から細胞が動員され、乳汁1mlあたり細胞が50万以上となる。まだ乳腺血管の障害はないので乳性分(PH)は変化しない。


④潜在性乳房炎乳腺内に侵入し、定着した細菌は増殖し、乳腺を攻撃して血管の透過性が破壊される。健康乳は弱酸性だが、破壊によって血液成分が混入してアルカリ性の異常乳となる。しかし、まだ外見上は乳房の臨床的変化はなく、酪農家自らが乳房炎検査を実施しない限りPH、細胞、電気伝導度などの異常をストリップカップ検査だけでは見逃してしまう。


⑤臨床型乳房炎これはお馴染みである。触診やストリップカップ検乳時に疼痛を訴え、凝固物など異常は明白である。


⑥非特異無菌性乳房炎細菌とは無関係で臨床症状もほとんどないが、細胞、PH、電気伝導度などに異常が見られる。これは薬物や生理食塩水(乳房内洗浄)注入、ミルカー操 作不良時に発生する。


このように乳汁・乳房感染の段階で感染を阻止して細菌を乳腺に定着させぬよう、乳汁中に潜伏している間に搾乳によって排菌除去する。毎回マンネリ化しやすい「搾乳」こそ感染防止の原点であることを肝に命じて的確に搾乳する。


臨床型乳房炎の発生は手抜きの典型であり、回復の望みは少なく、泥棒に追い銭・酪農家の恥である。


搾乳間隔の限界は13時間


人の食中毒例では黄色ブドウ球菌汚染食物を食べて2~4時間の潜伏期間で中毒が発症する。牛乳房炎では乳頭穴を突破した細菌は14~16時間で乳腺に定着するということから、搾乳の間隔は13時間が限界だ。


ドロップレッツで急速に乳腺へ到達すれば当然定着時間は短縮されるし、的確な搾乳後の適切なディッピングを実施すれば、細菌の侵入時間が延長されるだけ定着するまでの時間的余裕が得られる。かつて泌乳量が少ないと1日1回の搾乳で、乾乳準備期は隔日や3日目搾乳の間欠搾乳だった。


しかし、当時は各分房毎に乳汁を手掌に受け「味見」をしていた。手搾りでは搾乳中にも頻繁に「味見」して、「甘い乳」「塩っぱい乳」と風味まで確かめていた。初心者は手掌ツバを吹き付けて手掌が乳頭に密着するようにしていたが、少しは衛生面を考えて「乳汁」を手掌に付け始め、搾乳しながら味見して分房ごとの比較を行った。


味の違いや手掌に伝わってくる分房ごとの温感や乳頭槽内のポリープの発生、弾力差などを細かく搾乳しながら観察できた。


高泌乳時代でミルカー搾乳となって乳頭消毒清拭搾乳を泌乳生理に合わせて90秒でミルカー装着、離脱までは乳頭の変化や分房ごとの「味見」など論外となった。今は動物好きの酪農家が犬や猫に前搾乳した乳を与えても彼らに知らん顔されるが、バルク乳は喜んで飲むことから、その風味の差が分かるだけだ。


消費者は安全・安心な食品を志向するばかりではく、最近乳業メーカーが「おいしい牛乳」で消費者を惹きつけたように、酪農家も「味見」を復活させ、分房ごとの風味・乳質検査を少なくとも牛群検定に連動させて月に1回は実行すべきだ。


特に乳房炎多発牧場は素人の搾乳専従パートを雇用している。しかし、パートだけでなく、経営者自ら感染症対策に忠実な搾乳(できれば3回)を行うことで金食い虫の乳房炎は減少するし、パートを減らした分の人件費以上の収益をもたらす。パートと搾乳時に交流することでマンネリ搾乳・放漫経営も追放される。

本連載は2003年5月1日~2010年4月1日までに終了したものを著者・中野光志氏(元鯉淵学園教授)の許可を得て掲載するものです。

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